闘病生活@25歳で大腸がん BLOG

20代,AYA世代(25歳) 横行結腸癌 ➡2021年4月1日に見つかった大腸がんの闘病生活

【がんの発見経緯】について考えてみた

前回の記事では国立がん研究センターが公表した

生存率報告書より大腸がんの10年生存率についてまとめました。

資料の中で「がんの発見経緯」についてデータがあり,

非常に興味深いのでまとめてみました。

 

 

1.がんの発見経緯について

発見経緯についてのデータがありましたので,

図にまとめました。

データ:2012年ー2013年の二箇年

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(引用:国立がん研究センター 2012-2013年5年生存率集計報告書)

がん診療連携拠点病院等院内がん登録生存率集計:[国立がん研究センター がん登録・統計]

 

その他・不明については以下のような扱いのようです。

「自覚症状によりがん検診を受診した」場合→「がん検診・健康診断・人間ドックでの発見例」
「自覚症状により直接病院医師を受診してがんの診断を受けた」場合→「その他」

 

2.発見経緯の傾向

全てのがん大腸がんの発見経緯の傾向に大きな違いはありませんでした。

 

しかし驚いたのは

がん検診や人間ドックで発見されることが多いのかと思いきや

他疾患経過観察中29.6%であり,

その他・不明54.6%と半数以上を占めていました。

 

思い返せば,私も腹痛をきっかけにして病院に行き,

たまたま検査したところ発見したので,

分類は「その他」になると思います。

 

このように,

自覚症状により思いがけず検査したところがんが見つかった人が

どれだけ多いか教えてくれます。

 

手遅れの発見を防ぐことや

術後の再発,転移を防ぐためには

早期発見とても重要です。

 

しかし, 発見経緯の半数以上「がん検診・人間ドック」以外です。

 

根拠はありませんが,「がん検診・人間ドック」以外で見つかった人は

症状が出てから病院に行き,見つかった人が多いのではないでしょうか。

➡私です。

すなわち,がんが進行した状態発見される可能性が高いと思われます。

 

がんを疑っていない人でも,病院に足を運び

定期的に検査することが大事だとデータが教えてくれます。

 

 

 

【大腸がんの10年生存率】をまとめてみた

私が入院していたとき,がんに関する大きなニュースがありました。

今の私には他人事ではない話ですので,今回の記事では

そのニュースの大腸がんについてピックアップしました。

 

 

 

1.10年生存率の公表

 国立研究開発法人国立がん研究センターが2007年と2008年診断例

10年生存率を公表しました(2021年4月27日)。

 

全国のがん拠点病院等から収集した大規模なデータ

初めてまとめたそうです。

 

10年生存率に使用したデータ

2007年:181施設 約18万例

2008年:240施設 約24万例

と凄い多いです!!

 

国立がん研究センターHPでは

2007年と2008年の生存率報告書をそれぞれ公開しています。

 がん診療連携拠点病院等院内がん登録生存率集計:[国立がん研究センター がん登録・統計]

 

当時と今では,がん治療が変わっているので

この10年生存率がいま現在当てはまるかどうかは別問題です。

 

しかし,このような大規模データに基づく統計が行われたことで,

「がんを患ったら死ぬ」というイメージに対して参考になると思います。

➡がん種別ごとで生存率が全然違うことがわかると思います。 

 

2.大腸がんの生存率について

資料では癌の種別からステージ別,年齢別の生存率など,

かなり細かく分類されています。

 

その中の大腸がんに関する一部をまとめてみました。

 

大腸がん(結腸・直腸)のステージⅢ

10年生存率,対象数,平均年齢は以下の通りです。

データ:2007年

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※10年生存率は相対生存率を記載しています。

引用(診察連携拠点病院等院内がん登録 2007年10年生存率集計報告書

   国立がん研究センター 令和3年4月)

 

まず目につくのが,

診断時の平均年齢が60代後半だということです。

私(25歳)が如何にレアケースか分かります。

 

  • 生存率全体の傾向について

ステージⅠはかなり高い生存率です。

根治が当たり前であり,「死=稀な」ということが分かります。

 

ステージⅢとステージⅣでは生存率が全然違う。

大腸がんにおける運命の分かれ道です。

 

これはステージⅢは根治治療ですが,ステージⅣは延命治療になるため

生存率に大きな差が生じてしまうのでしょう。

 

転移の有無でここまで変わるとは恐ろしいですね。

 

 

  • 部位別の生存率

結腸がんに比べて直腸がんでは生存率がやや低い傾向があります。

 

ステージⅢでは

結腸がんの10年生存率が72.6%に対して,直腸がん64.9%です。 

 

直腸がんは術後に人工肛門を設置する場合があるので,

それが原因かと思いきや

 結腸がんと直腸がんで再発の特徴が異なるためだそうです。

 

(詳細はこちらの論文で!)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcoloproctology/68/4/68_215/_pdf

 

がんになる場所で生存率が異なるとは…

大腸は大きい臓器のため複雑ですね。

 

3.ステージⅢでの生存率に関して

大腸がんステージⅢの10年生存率は約70%です。

私の率直な感想は「4人に1人は死ぬ…」です。

「4人に3人が治る」と見えないのは,

自分が残り1人になる可能性がある為です。

 

とは言え,大腸がんは他のがん比べて生存率が高いということが分かっています。

他がんのステージⅢと比較してみました。

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引用(診察連携拠点病院等院内がん登録 2007年10年生存率集計報告書

   国立がん研究センター 令和3年4月)

 

10年生存率がずば抜けて高い前立腺がんはさておき,

同じステージⅢの他のがんと比較しても

大腸がんは高い生存率であり,根治ができている」ということが分かります。

 

大腸がんの先人たちが結果で示しています。 

 

がん=死 というイメージが強い中で,

データは大腸がん患者生の希望を持たせてくれます。