前回の記事では国立がん研究センターが公表した
生存率報告書より大腸がんの10年生存率についてまとめました。
資料の中で「がんの発見経緯」についてデータがあり,
非常に興味深いのでまとめてみました。
1.がんの発見経緯について
発見経緯についてのデータがありましたので,
図にまとめました。
データ:2012年ー2013年の二箇年
(引用:国立がん研究センター 2012-2013年5年生存率集計報告書)
がん診療連携拠点病院等院内がん登録生存率集計:[国立がん研究センター がん登録・統計]
その他・不明については以下のような扱いのようです。
「自覚症状によりがん検診を受診した」場合→「がん検診・健康診断・人間ドックでの発見例」
「自覚症状により直接病院医師を受診してがんの診断を受けた」場合→「その他」
2.発見経緯の傾向
全てのがんと大腸がんの発見経緯の傾向に大きな違いはありませんでした。
しかし驚いたのは
がん検診や人間ドックで発見されることが多いのかと思いきや
他疾患経過観察中が29.6%であり,
その他・不明が54.6%と半数以上を占めていました。
思い返せば,私も腹痛をきっかけにして病院に行き,
たまたま検査したところ発見したので,
分類は「その他」になると思います。
このように,
自覚症状により思いがけず検査したところがんが見つかった人が
どれだけ多いか教えてくれます。
手遅れの発見を防ぐことや
術後の再発,転移を防ぐためには
早期発見がとても重要です。
しかし, 発見経緯の半数以上が「がん検診・人間ドック」以外です。
根拠はありませんが,「がん検診・人間ドック」以外で見つかった人は
症状が出てから病院に行き,見つかった人が多いのではないでしょうか。
➡私です。
すなわち,がんが進行した状態で発見される可能性が高いと思われます。
がんを疑っていない人でも,病院に足を運び
定期的に検査することが大事だとデータが教えてくれます。